■自己破産手続とは
自己破産手続とは、支払い不能な状態に陥ったときに、持っている財産を全てお金に換えて債権者に配当する手続で、債務者が経済的更正を図るために今ある借金を0にする免責手続きとセットになっています。
配当する目ぼしい財産がない場合には、換価・配当の手続は行わず、破産宣告と同時に手続は終了となり(同時廃止)、そのまま免責手続きに移行します。
■破産手続が開始される要件
破産手続が開始されるのは、債務者が支払不能な状態である場合です。支払不能状態とは、大きく次のように考えられています。
① 支払能力の欠乏
これは、単に財産状態だけをみるのではなく、債務者の信用や労力(技能)を総合して判断されます。
② 継続的に弁済不能な状態である
これは、単に一時的な資金不足ではなく、今後も継続して債務を弁済していくことができない状態であることを言います。
■自己破産のメリット・デメリット
[メリット]
① 免責決定により、借金の返済が免除されます。
借金のない、新たな生活のスタートをきることができます。
[デメリット]
① 高価な財産の処分は必須です。
不動産、20万円以上の価値ある貴金属など、高額な財産について
は手放さなくてはなりません。
但し、日常生活用品等の高額でない財産は、手放す必要はありません。
② 信用情報がブラックになる。
新たな借入れ、住宅ローンは当面困難です。
[その他注意事項]
※ 破産手続中は、業務資格制限があります。
例えば、生命保険募集人、警備員などの職業は続けることができま
せん。
但し、免責手続が終了したら、新たに就くことができます。
※ 免責不許可事由があれば、債務は免除されません。
浪費・遊興費等が借金の原因の大半である場合は、債務が免除され
ない可能性が高いです。
ほかにも、意図的に債権者を害する行為があった場合は、債務が免
除されなくなります。
※ 税金等は免除されません。
破産しても、滞納している租税や、養育費、不法行為の損害賠償費
用などは一切免除されませんので、きちんと全額支払う必要があり
ます。
※ 破産したことで戸籍や住民票に記載されることはありません。選
挙権が剥奪されることもありません。
国が発行している官報には公告されますが、通常一般の人が見る
ことはないので、他の人に知られることもなく生活に大きな影響
はありません。
■破産手続にかかる期間
通常、約6ヶ月~1年です。
財産・債務額が多ければ、長期化します。
■破産手続にかかる費用
手続費用をご参照下さい。